すいみんせいかつ


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寒くて震える (2)


 結局その日、ギルベルトは弟の言葉を保留することを選んだ。犬たちの散歩に行き、ついでに買いものもすませ、洗濯をし、簡単に掃除もすませた。いつも通りに夕食を作り、帰ってきた弟にやさしく挨拶のハグとキス。ビールを注いでやり……。
 全くいつもの通りだった。昨日と何も変わらない。
 ルートヴィッヒは何も言わなかったし、ギルベルトもそれをいいことに何も切り出さなかった。朝聞いた言葉は自分の妄想の産物だったのかとまで思ったほどだった。
 ——いや、あれはホントだよな?だったら、何か言ってやらなきゃだよな?
 少し待ってくれ、と言うのも違う気がした。
 どうすればいいのかがわからない。なんとなく抱え込んだまま、1日が終了し、何事もなかったようにおやすみを言って、部屋に戻る。本棚から日記を取り出したところで、保留にされたままの言葉をもう一度考え直した。
 ——たとえば、あれが、本心の言葉だったら?何かの間違いや、一時的な気分の変化でなく、悩んだ末の言葉だったら?
 答えてやらねばならなかった。愛する弟からの告白だ。たとえば、身体を求められたり、つきあってほしいと言われたならば、Ja以外の答えはなかっただろう。しかし、恋人として愛している、と言われた場合、なんと答えれば?現段階で、同じ気持ちを返す事は出来ない。どうすればいい?
 なんとなくもやもやして、日記を閉じる。
 「ルッツに愛してるって言われた。俺様幸せすぎるぜ!」
 日記にはそう書いた。そう、幸せじゃないか。
 なのに、なんでこんなに不安なんだ?
 ——これが、他の奴への恋愛相談だったら、どんなに手をつくしても応援してやったのに。一体、なんで俺なんだ?



2012.09.03(Mon) // cm(0)






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